2022/01/31

Podcastはじめました(宣伝)

Podcastというのは、音声版のYouTubeのようなものです。

内容はこのブログと重なる部分もありますが、Podcastの方はKatrina Ubell先生のPodcastの日本語要約という位置付けで配信しています。始めたばかりで、まだApple PodcastsやSpotifyなどでは視聴できないのですが、ホームページから直接聴くことができます。

https://www.podbean.com/pu/pbblog-g93dp-abf310


Katrina先生は今では1000人以上の女医さんの減量に携わっていて、ためになる内容を毎週配信し続けてくださっています。私が1話ずつ聴き直して、翻訳して、日本語を整えて、録音して、と1人でやっているので、噛みまくっていたり、なかなか毎週コンスタントに配信できていないのですが、興味があったらぜひ聴いてみてください。ブログと違って家事や運転しながらでも聴けるので、忙しい人にはお勧めです。


さて、Podcastの宣伝ついでに、今後の予定についても少しお話ししておきます。


現在、私まきによる30分のコーチング無料体験を提供しています。体験してみて、続けてみたいという方向けに、定期的にコーチングを受けられるプログラム(現在のところ週に1回x6週セット)を準備中です。先着10名ほどは、モニターとして無料で提供する予定でおります(出来上がり次第このブログでお知らせします)。その10名が終了後は、私の現在の勤務体制で無理なく継続可能な期間・人数分の有償プログラム開始を計画しています。


コーチングを1回体験してみたい!という方は、こちらのリンクからご予約ください。

https://calendly.com/coachmaki/30min

2022/01/25

思考ダウンロードのコツ

以前お話しした思考ダウンロードについてもう少し解説します。

頭に浮かんだことを、ただただ文字にします。この時の思考は、ほとんどは自分の原始脳が反射的に生み出した考えの羅列です。書きながら、こんなこと考えたなんて恥ずかしい!と思う必要はありません。むしろ、そう信じてしまうと脚色して書いてしまったりして、結果的に思考ダウンロードの効果が半減するんです。「ほう、こんな考えが隠れていたのかぁ」と、学者のような姿勢で傍観してください。

「正しいやり方がよくわからない」と躊躇したり、「こんなやり方でいいんだろうか」とこだわってしまう人もいるかもしれませんが、いわゆる正解はありません。自分のスタイルに合っていて、いちばん続けやすいやり方が、正しいやり方だと思ってください。


わたくし個人的には、専用のMoleskineのノートに、お気に入りのペンで書くこともありますが、一番多いパターンはその辺にある裏紙です。外出中、例えばカフェにいるとき、注文してから運ばれてくるまでの間に、レシートの裏や紙ナプキンに書くことだってあります。先日は、注文後にメモ帳を取り出してから書くものがない事に気がついて、「ちょっと席を外します」と断ってダッシュでペンを買ってきたこともあります。以前は携帯のメモ機能を使った時期もありましたが、紙に書くという手の運動を介した方が、「やった」という感覚が得られて好きなので、最近はもっぱらアナログです。コーチによっては、手で書く方がスピードが強制的に遅くなるので、一つ一つを噛み締める時間ができる、と手書きを推奨する人もいます。


数分の間、意識にのぼってきたことをひたすら書き起こすだけです。慣れないうちはToDoリストのようになるかもしれませんが、それでも大丈夫です。タイマーで時間を区切ってもいいですし、私は書くことが自然に途切れるか、何かやることを思いついたり、スッキリした感じが得られたらそこでやめています。


日記とどう違うの?と思うかもしれませんが、書く作業としてはほとんど変わらないかもしれません。ただ、思考ダウンロードが済んだ後には、手始めにCircumstance状況とThought思考を区別してみてください。完全に客観的な記載は状況で、少しでも主観が入ればそれは思考です。思考には下線を引くか何かして、もう一度見返してみてください。これだけでも、物事と自分の間に距離を置くことができるので効果を感じるかもしれません。


さらに思考ダウンロードを活用してみたい、という場合は、その思考の中から一つ選んで、思考モデルに当てはめてみてください。もう一度復習すると、Circumstance状況は、誰がみても客観的な事実のみを指します。その状況に対して脳に自動的に浮かんでくる文章がThought思考です。思考により、Feeling感情が芽生えます。この感情にによって、私たちは一定の反応を示したり、行動Actionに出たりします。その行動の集大成が現在の結果Resultであり、結果の主語は自分でないといけないということと、最初の思考の裏付けとなるように考えます。


思考モデルのコツを紹介します。一つの状況に対してたくさんの思考が浮かぶと思うので、その中で気になる思考を一つだけ選びます。思考の文章が長々としてしまうと、多くの思考が含まれることになってその後のモデルがうまくいかないことがあるので、シンプルに短めの文章にします。

対応する感情は、その思考の文章を繰り返し頭の中で自分に言い聞かせてみて、浮かんでくる感情の中から、やはり最もぴったりくる感情を一つ選びます。


行動は、たくさん考えれば考えるほど、その後の結果が閃きやすくなります。この状況で、こう考えて、こう感じた時、何をやったかなぁ?逆に、なにか避けていた行動はあるかなぁ?その時他人が私を観察していたとしたら、どういう行動に出ていたかな?目に見える行動でなくても、「くよくよ悩む」とか「心の中で批判する」とかもあるかもしれません。


結果は、様々な行動をとった(あるいは避けた)結果、自分に返ってきたものです。ピッタリの結果を毎回思いつくには訓練が必要ですが、はまった時の効果は絶大なものがあります。


思考ダウンロード思考モデルの作業は、セルフコーチングの中心となる手法なので、コーチングにお金を払うのは無理、という人はぜひ何度か練習して習得してみてください!どんなやり方でも、必ず役に立つと思います。

やっているうちに疑問が生じたら、いつでも質問してくださいね。喜んで教えます!

2022/01/19

インポスター症候群

 今日お話しするインポスター症候群という概念は、自分の能力や実績を認めることができず、まるで今の自分になりすましている偽物・詐欺師(imposter)のような感覚を持っていることです。1978年に命名され、俳優のトム・ハンクスやエマ・ワトソンなどの著名人が自身の体験を告白しているそうです。もう少し軽く表現すると「なんちゃって◯◯」みたいな。

例えば私は専門医を二つと医学博士を取得していますが、専門医のうちの一つと医学博士に関しては、まだ「なんちゃって」の感覚が残っています。他人から見れば、確かに試験を受けたし口頭試問も通ったのですが、他の専門医の先生と比べたら全然知識が少ないし、医学博士を取得した論文なんて、先輩方に助けてもらってなければpublishに漕ぎ着けられなかった、つまり自分の実力で取ったわけではない、と感じてしまっていました。


自分の中で、専門医だったら、専門分野に関してほぼ何でも知っているのが本当の姿。博士だったら自分で研究テーマを見つけて、論文くらいさらっと書いて毎年発表できるくらいじゃないといけない。そんな理想が頭のどこかにあって、そこに合っていない自分は、ペーパー資格こそあるが、なんちゃって専門医、なんちゃって博士だという意識です。そしてそこには、自分の真の実力がバレたら大変なことになるのでは、という恐怖が常に付きまとっていました。


インポスター症候群について知るまでは、自分だけの悩みだと思っていました。しかし、多くの医師、特に女性がこの感覚に苦しめられていると知り、意外だったと同時に、すごく安心しました。だから、このようにブログでバラすことができます笑。


潜在的なインポスター症候群を放置するとどうなるか、思考モデルに当てはめると想像がつくと思います。


C 状況:◯◯専門医

T 思考:自分はなんちゃって専門医で、他の専門医より知識も経験も足りない

F 気分:劣等感

A 行動:知識がないことを隠す、誤魔化す。紹介を積極的に受けないなど、知識を問われるような場面を避ける。

R 結果:専門医としての経験や知識を増やす機会を自ら捨てている


このことに気付きさえすれば、行動のきっかけとなっている思考を徐々に変えて、最終的な結果が変わってくるかもしれません。例えば「自分も一度は専門医と認められるだけの基準は満たしている」、あるいは「今からでも足りないところを補うことは可能かもしれない」などです。


思い起こせば、初期研修後に現在の診療科で専攻医としてスタートした時期、特に外来では同じような状況だったはずです。患者さんに何か聞かれても、答えがわからずにはぐらかし、検査に行ってもらっている間に教科書を調べる、あるいは隣の診察室の先輩に助けを求める・・・そんな毎日でした。でもあの頃は周りの同期も全員そうだったし、「先輩もみんなこうやって経験を積んでいったんだから、大丈夫。わからなければ聞けばいい」のようなインポスター症候群とはかけ離れたポジティブな思考に後押しされていたのでしょう。


専門医に関しても私と同じような状況、つまり「ギリギリ」専門医を取ったけど(この表現も客観的な状況ではなく主観が入っていますが)、知識や経験の裏付けが平均を下回っている人というのは他にもいるかもしれません。というより、平均を下回っているということであれば半分近くいるはずです。でも、そこで劣等感を抱いてしまうのか、全然気にしないかは個人差が大きいと思います。具体的には、もともと自己肯定感が低い人の方が、インポスター症候群に陥りやすいということです。


医師って社会的に見ると成功者なんでしょうが、その分、インポスター症候群のような密かな悩みを抱える人は、実はたくさんいるのかもしれませんね。あなたにも、当てはまることはありますか?

体調不良のとき

こどもが集団生活で感染症を持ち帰ることは日常茶飯事ですが、親もそれをもらってしまうことだってあります。いくら感染予防の知識があっても、きちんと実践するだけの余裕がなかったり、添い寝していれば、夜中知らない間に顔が急接近していたり・・・あるいはホルモンバランス、加齢にまつわる様々な...